旅するラコブログ

バックパック旅行記や、辛いもの、ビールのこと、書き留めておかなきゃ忘れそうな些細な思いを綴ってゆきます。

ラコ論 *日常における、郷に入りては*

ラコ論です。いつもよりちょっとトゲが出てるかもしれません。

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ミャンマーの屋台。このカンジを、楽しまなくちゃ。 

 

*日常における、郷に入りては*

 ワタクシ、その土地の時間の流れや生活の仕方に馴染むのが早くて上手いと自負しております。
日本にいるときは、ちょっと電車が遅れただけでカリカリしたり、サービス料取るお店でお皿が汚れてたら取り替えてもらったり、普段はどちらかというと細かいことまで気になってしまう方なのです。しかしこれが、インドへ行けば手で食べるし、トイレも手桶で水洗い。電車が2時間遅れても、まぁしょーがないよね。アジアの屋台ではバケツの水に潜らせただけのお皿で出されても全然気にしない。集ってくるハエたちを振り払いながら美味しく頂くのです。いちいちキャーキャー言ってたら楽しくないし、てゆうかそれが楽しいのに。そもそも嫌なら来なきゃいいのに。その文化のみなさんからしたら、こっちの方が圧倒的マイノリティーなんだからね。それを、自分の感覚がグローバルスタンダードかのように「野蛮だ」とか「不潔だ」とか「いい加減だ」とか、知ったこっちゃないのだ。

 ということが、旅先ならずとも日常のちょっとしたシチュエーションでも起こり得ると思うのです、というのが今回のタイトルです。

 例えば、満員電車。
 通勤ラッシュの田園都市線、すごいですよ。モミクチャで傘が折れたことも、お弁当箱が割れたことも、脱臼したこともあります。仕方ないんです、みんなその時間に乗るんだもん。いつも乗っている人々は、「無」或いは「絶」などの技を習得して、自分の降りる駅までやり過ごしているんです。仕方ない。苦しいのは自分だけじゃないんだもん。
 そんな中に、滅多にこの時間に乗らないんだろうなって人が乗ってくることがありますね。すると、足を踏まれれば「痛っ!」押されれば「ちょっと・・・!」と、いちいち被害者呟きをしてくる(人もいる)んですよ。自分が降りない駅では断固としてホームに降りず、降車客に道を譲らない(人もいる)んですよ。
 乗車マナーってね、通常運転時とラッシュ時では違うんですよ。ギュウギュウ状況下だけの暗黙の了解があるんです。人の流れに逆らわない、揺れには揺られる、ドア付近の人は一旦ホームに降りる、などなど。それがみんなの日常なのですよ。それを、いきなり乗ってきて「あぁしんどい!」みたいに振る舞われても、あんた何者だよって話ですよ。郷に従ってほしいですね。

 例えば、お店。
 お客様至上主義を当たり前に思っているというか、履き違えている人があまりに多いと思う昨今。コンビニやファストフード店で横柄な態度をとる人、居酒屋で店員に暴言を吐くオッサン・・・見たことないですか?頼んだものが正しく出てくることを、当たり前と思うなよ!そんなの限られた国だけなんだからな!・・・色々言いたいのですが、ここでは特に、店の個性を楽しめない人々についてです。
 殊、歴史あるお店には、馴染みのお客さんとお店との間に暗黙の了解のようなものがあります。と言っても特別難しいことではなく、客さんはお店を気遣って空気を読み、お店はお客さんの気遣いに感謝の気持ちを持っている、ただそれだけのことなのです。要は、思いやりなのですよ。ただ常連さんというのは、ここのご主人はどうされるのが助かるのか、を熟知しているというだけなんですよね。そんな中から自然と生まれた、特有のマナー、文化があり、それが同時に楽しみどころでもある思うのです。
 であるのに、です。「店員の態度が悪い」とか「注文を聞いてくれない」とか「常連にだけ優しい」とか、たまに某◯べログの口コミなんか見てると、散々文句書いて「再訪ナシ」って、それわざわざ書く事かい?って。自分のタイミングで「すみませーん」って言ったらいつでも店員が飛んでくるのが当たり前のサービスで、その感覚が正義だと思ってるんでしょうね。ファミレスと勘違いしてるんでしょうか。ご主人がお一人で頑張っているのが見えないのでしょうか。周りのお客さんのやり方に順応しようというアイデアはないのでしょうか。郷に従っちゃえば楽しいのに。勿体ない限りです。

 例えば、エスカレーター。
 わかってます。わかってますよ。本来、エスカレーター内の歩行は危険ですのでご遠慮くださいなの、わかってます。でもね。またこれも駅のエスカレーターとかになりますが、歩かない人は左!急ぐ人は右!なんです。どうしようもないんです。それで成り立っちゃってるんです。
 それをね、たまにいるんです。右側で断固として歩かない人。
 考えられるのは2パターン。
・ただ空いていたので右側に乗り、後ろがつっかえていることに気づかなかった人。→背後からの圧迫感、感じませんか?
・「エスカレーターでの歩行はいけないって言われてるじゃない!」という正義の人。→この状況で主張しますか?
 どうか、長いものには巻かれて頂きたいところです。

 他にもこんな事例はたくさんありそうですが、この辺で。

 人生、「これだけは譲れないぜ」というポリシーを発揮すべきシーンって、実はそうそうないと思うんですよ。自分の小さな正義をアウェーで振りかざすことに、どれだけの意味があるのか。「こんな汚い食器、使えないわ!」ってミャンマーの食堂で文句言ったところでオカシイのはコッチなのと同じく、口コミで「店員に愛想がない!」と文句言ってるソッチこそ異物なんですよ。
 もちろん誰しも初めてのシチュエーションはあるわけで、第一回から見事に溶け込むのは難しいこともあるでしょう。第一回はシクっても、次回に活かせばいいのです。私自身も、これからもたくさんの第一回に出会うことと思いますが、できればその環境を楽しめたらいいなと、その時だけでも順応できたらいいなと思っております。

(なんか優等生な着地をしてしまいました。)