旅するラコブログ

バックパック旅行記や、辛いもの、ビールのこと、書き留めておかなきゃ忘れそうな些細な思いを綴ってゆきます。

カンボジア・タイ・ミャンマーの旅2016*プノンペン2日目③ 〜夜行バスでシェムリアップへ〜*

旅日記の続きです。プノンペンを後にして、夜行バスでアンコールワットのあるシェムリアップへと向かいます。

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今回は夜間の、灯りも余裕もない状況の記録なので、写真がないです。ので、プノンペン散歩中に見かけたオスモウサンの看板を載せておきます。「WiFi・・・」の呟きも切なく映ります。アイロンを手にしているあたり、この重量でプレスしたら折り目もピシッとしそうだというイメージ戦略なのか何なのかわかりませんが、よく見かけましたよ。

 

 

プノンペン2日目③ 〜夜行バスでシェムリアップへ〜*

 バスターミナルまで乗せて行ってくれるピックアップの車は、結局45分くらい遅れてやってきた。8人乗りくらいのバンだったが、既に6人の旅人が乗っていたので、幾つかのゲストハウスでピックアップして周ってきたのだろう。そのために遅れたと思われる。が、何の断りもなくこんなに遅れるものなのか・・・。さすがである。
 さて、深夜のバスターミナルに到着すると、バスと人でごった返している。どれが自分の乗るバスだかわからないので、バンに同乗していた旅人たちにとりあえずついて行く。どうやらコレと思わしきバスを見つけ、彼らとともにリュックをバス下部の荷物スペースに入れようとするも・・・もうパンッパンになっているではないか!見ると、巨大な段ボールやら米俵のようなもの、ものすごい量のオイル缶に造花の束など、確実に仕入れ帰りのラインナップに占領されている。そこにバスのスタッフのオニイチャンが、通勤ラッシュ時の田園都市線の駅員さんの如く、入りきらない荷物を体当たりでグイグイと押し込んでいるのだ。これ、リュック、壊れるんじゃね?この時まだ自分の荷物は大したサイズではなかったので、バスのトランクに預けることを諦めて、座席まで持っていくことにした。座席と言っても私が選んだのは、完全フラットで横幅もゆったりの、言わば寝台バス。リュックくらい、ちょっと横に置いておけばいいさ。

・・・のはずが。

 バスに乗り込んでみると、予約時に見せてもらったシートの写真と全然違うではないか!写真では、まさに寝台車といったベッド仕様にシートで、ゆったり2列シートといった様子だった。
しかし現実は、ピッチリ4列シートで恰幅の良い男性が並んだら間違いなく腕が密着するであろう距離感。フルフラットではなく、中途半端に120°くらいの背もたれといった程度。にもかかわらず2段構造で、私は一階だったのだが、起き上がると頭をぶつけてしまう高さ。リュックを置くどころの騒ぎではない。しかも車内は真っ暗。手探りの車内にギュウギュウと詰め込まれる様に、昼間見すぎたポルポトの惨劇がフと頭を過る・・・。これは一体何なんなん??
 が、「話が違う」と言ったところでアフターフェスティバルだ。日本であればクレームババァ降臨であるが、誰に訴えることもできやしない。心頭を滅却するしか策はないのだ。隣の席には西洋人の男性。私のようなコンパクトな者が隣になって、彼はラッキーだと言える。そんな彼も恐らく旅人であろう、バスの出発と同時に爆睡している。羨ましい。私はといえば、中途半端な背もたれと冷房の効き過ぎとフツーのボリュームでずっと喋っているイタリア人の声と空気の悪さにまんじりともせず、さっぱり眠れなかった。
 そして、眠れぬ眠れぬと悶々していると、突然忘れ物に気づいたのだ。

 シャワー浴びた部屋に、パンツとブラ忘れてきた!!!!!

 全く、どうかしている。キャップは忘れるわ、下着は忘れるわ・・・後から振り返ると、やはりこの日は心身共にくたびれていたのだろう。慢性的に不足している注意力が、ほぼ枯渇していたように思える。ともあれ、置き忘れたパンブラはいずれもそろそろ捨てようと思っていたものなので、後腐れはなかった。ただ、ブラは舞台で使用した際に付着した血糊が落ちないままの物であったので(早く捨てなさい)、発見者に不要の不信感を抱かせてしまったのではないかというのが気がかりな点である。

 そんなこんなで4:30頃、シェムリアップに到着。到着はいいのだが、ここがシェムリアップのどこなのかがわからない。しかしとにかくバスの停まるところにトゥクトゥク有り。ここでもトゥクドライバーたちが群がってくる。「今からアンコールワットに向かえばサンライズが見られるぞ、さあ乗れ乗れ!」と、皆アグレッシブだ。アンコールワットには明日からゆっくり訪れる予定なので、そんな誘いはどーでもよかった。それより早く荷を降ろして一寝入りしたい。そして一人なので、トゥクトゥクではなくバイクタクシーで充分なのだが・・・とウロウロしていると、バイタクと数台発見できた。シェムリアップでのゲストハウスは取っていたので、スクショした地図を見せて、「ここ、わかる?」と尋ねると、わかってなさそうな表情の後に「オッケー!オッケー!」。本当か?まあいい。きっちり値段交渉を経て、バイクにニケツ。まだ真っ暗の夜空には、たくさんの星が輝いている。アァ、綺麗だなぁ・・・と揺られていると、ドライバーがもう一度地図を見せてと。そしてUターン。立派なホテルの門前を掃除していたホテルマンに、道を聞いている。ほらみろ!わかっとらんがや!そこから延々と迷子で、すれ違うトゥクドライバーに地図を見せては至難を仰ぐこと数回、終いには親切なトゥクドライバーが先導してくれて、やっとゲストハウスに到着することができたのだった。支払い時、そのトゥクドライバーにチップを渡そうとしたが、要らないと言って去って行ってしまった。バイタクのお兄ちゃんも、日本だったら「なんでこんなに迷うんですか!」と文句の一つも言いそうなところだけれど、逆に「こんなに一生懸命探してくれて、ありがとね!」という気持ちになるから不思議だ。というわけで、乗車前に散々値切ったくせにチップを上乗せして渡すのだった。
 余談だが、いや、余談が肝心でもあるのだが、最初の値段交渉では相手がシブシブ(という演技かもしれないが)オッケーという最安値で決めて、サービスが良ければチップを弾む、というやり方が好きだ。お互い気持ちがいいではないか。

 さて、着いたはいいが、こんな早い時間にチェックインさせてもらえるだろうか?恐る恐る中に入り、起きてくれたスタッフに予約画面を提示すると、すんなりと部屋に案内してくれ、ベッドも使わせてくれるとのこと。ラッキー!2段ベッドが3つの6人部屋、既に4名が眠っており、全員男性のようだ。なんとなく、部屋の空気が男くさいような気もしたが、さっきまでのバスに比べたら何でもない。ちょうど1階のベッドが空いていたので、プノンペンでの学習を活かして当然1階を選び、そのまま眠りについたのであった。