旅するラコブログ

バックパック旅行記や、辛いもの、ビールのこと、書き留めておかなきゃ忘れそうな些細な思いを綴ってゆきます。

カンボジア・タイ・ミャンマーの旅2016 *シェムリアップ1日目③ 〜夕日に向かって激走〜*

旅日記の続きです。タ・プロームという遺跡がものすんごく神秘的でマイナスイオン出まくりで、夢中になって遭難しかけましたよ!

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↑タ・プロームの木と外人さん。すごいスケール。


シェムリアップ1日目③ 〜夕日に向かって激走〜*

 アンコールトムの後、タクさんはタ・ケウ経由でタ・プロームへ行くというので、「じゃあそこまで一緒に行ってもいいですか?」と、今度は遠慮なく言えた。お喋りしながらのサイクリングというのも楽しいものだとわかった。ちなみに、アメリカ大統領選をトランプが制したことを知ったのがこのサイクリングトーク時で、大変驚いた。ハンドル切りそうになった。

 さて、タ・ケウへの道中にあった小さな遺跡の前で、アイス販売のバイクが止まっていた。バイクの後部に大きなクーラーボックスを設置したものだ。二人とも自転車漕ぎっぱなしだったので、共にアイスの購入決定。何種類かのアイスキャンディーがあり、私はドリアンと何か(失念)で迷ってどちらかにしたのだが、とにかくイマイチ好みの味ではなかった。ちぇっ、とその遺跡をブラブラしていると、チケットをチェクする係員(と言っても遺跡の入口に座って談笑しているだけだが)が、前日プノンペンで食べて感動した青豆のアイスを食べているのが目に入った。「それ、どこでゲットした?!」と問いただすと、彼の差す先に、さっきまでとは別のバイクアイス屋さんがいるではないか!小躍りしながらそのクーラーボックスを見せてもらうと、まさにあの青豆アイスキャンディーが!大喜びで本日2本目のアイスタイム。そうそう!これ!この味!どう?美味しいでしょ?と半強制的にタクさんにも齧らせるも、「あ〜、俺はチョコの方が好きだわ」と冷めた回答。ま、嗜好は人それぞれだ。

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↑好みじゃなかった方のアイス

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↑大喜びで青豆アイスと再会!

 

 アイス休憩を経てタ・ケウも見学も終わり、やってきたのはタ・プローム。ここは『トゥーム・レイダー』の撮影でも使われたそうで、『天空の城 ラピュタ』の世界を彷彿させるとの事前情報があったのだが、残念ながらラピュタを未だに観たことがない。
 ともあれここは森と遺跡が幻想的なまでに溶け合っていて、仏都が木々の一部なんじゃないかという錯覚に陥る程だった。

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空の青さと木々の緑と幹の造形と石の冷たさにすっかり夢中になり、気づいた時にはタクさんとはぐれ、完全なる遺跡迷子になっていた。出口を探しているのだが、歩けど歩けど見えてこない。それどころか、何度も同じところに着いてしまう。遭難することはないだろうけれど、タクさんを待たせては申し訳ない。いや、でも、同行するのはここタ・プロームまでという話だったから、私を待たずに勝手に次の遺跡に行っているかもしれない・・・そうであってくれれば良いのだけど・・・と大焦りでやっと出口に辿り着くと、タバコを吸うタクさんがいた。うわわわ、待っててくれたのね!!!!!
「このタバコが終わっても出てこなかったら、探しに行くとこだったわ」
・・・マイペースな人だと思っていたけれど、なかなかイイ奴だ。そろそろトモダチとして認めてくれているんじゃないか?とにかく待たせたことを詫び、あらためてここからは各自のルートで散策することにし、解散した。

 いやあ〜、タ・プロームは素晴らしかった!!

 ところで、どの遺跡の出入り口にもチケットチェックの係員が数人いるのだが、こちらがジャパニーズだとわかると嬉しそうに「アジノモト〜!ジャパン!アジノモト!」と話しかけてくる。フジヤマでもサムライでもなく、なんでアジノモト?とほのかに謎だったが、いかにアジノモトがこの辺りの国々で愛用されているかを知るのはもう少し後になってからである。

 さて、タ・プロームの後にもう一つ小さめの遺跡を見学し、そろそろ日が落ちてくるなぁという時、ハッと気づいた。
「もしかして、アンコールワット越しのサンセットが見られるんじゃない!?」
ここから全力で飛ばしても間に合うかどうかわからない。が、可能性は未知だ。・・・行くか!!そこからはママチャリで猛然と全力疾走。途中何台もの電動バイクを追い抜き、ひたすら漕ぐ!漕ぐ!漕ぐ!リアルに夕日に向かって全力で走る!!そして・・・ギリッギリで間に合ったのだった。

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もはや夕景の美しさよりも、達成感の方が圧倒的に大きかった。やっと口にした水の、美味しかったこと!

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 やりきった自分に満足し、宿へ戻ることに。観光バスやトゥクトゥクたちも一斉に街へと戻っていくので、それに付いていったので道に迷うことはなかったが、灯りひとつ真っ暗な林道を車のヘッドライトだけを頼りに走るのは、ザ・デンジャラスだった。もちろん、レンタルのママチャリにはライトなんて高級のものは付いていない。日本から持ってきていたペンライトは、宿のリュックに入れたままだ。いやそれより、日本で使っている自転車用のライト(脱着可能)を持ってこればよかった。次回の旅には持参しよう。
 何度も生命の危機を味わいつつも、無事にレンタルサイクル店に帰着したのであった。